こりゃ豊かだわ…「月12万円生活」の54歳おひとりさまがたどりついた「賢いお金の使い方」写真はイメージです Photo:PIXTA

超低金利時代、「損をしたくない」の一点張りで銀行に貯金しているだけでは、お金はまったく増えない。自らの老後に向け、株式投資、投資信託、純金積立、iDeCo、NISAなどの資産形成に取り組んでいる著者が語る「おひとりさま」のマネー活用法とは――。本稿は、きんの『54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

お金を「使わない」
ではなく「賢く使いたい」

 前の会社の退職時、有給休暇が20日近く残っていたので、これからの人生に役に立つと考えてFP3級の資格試験に挑戦しました。実益のある勉強は楽しいもの。マンション売買、保険、相続、手続きすればもらえるお金など、「知っていたらもっと賢くラクに生きられたのに」と思う内容で、ライフプランの作成や資産形成法も学べました。

 参考書と古本屋で購入した過去の問題集で独学し、紆余曲折の人生の中ですでに知っていたことも多かったので、一発合格。自分の人生経験は無駄ではなかったと思えました。このときFPの勉強をしたことで、自分にとってのお金の意味や付き合い方が変わりました。

 おひとりさまですし、収入も多くはないので、なるべく節約してお金は貯めたい。でも節約は手段であって、目的ではありません。目的は、自分なりの豊かな生活を手に入れること。だから、手持ちのお金をどう使ったら自分なりに楽しく満足して暮らせるのか、試行錯誤するのが好きです。

 3000円休日や、300円弁当の発想もそこから生まれました。お金を「使わないようにする」のではなく「賢く使いたい」。そんなふうにポジティブな感情で行動しているから、少ないお金でもご機嫌に暮らせているのだと思います。