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カナダのマーク・カーニー首相がスイス・ダボスで演説し、 ミドルパワー(中堅国) は大国主導のパワー・ポリティクスの時代を乗り切るために互いの経済関係を強化すべきだと力説したとき、インドは既にそれを達成する方法を示していた。
ドナルド・トランプ米大統領が昨年、インドの対米輸出品に50%という世界で最も高い水準の関税を課した後、インド政府は他の国・地域との貿易協定締結を強力に推進し、米国との交渉における立場を有利にした。
トランプ氏は今月2日、 インド製品に対する関税率を18%に引き下げる と発表した。
インドの戦略は、ミドルパワーが貿易・安全保障の両面で、米国やその他の主要国・地域からの圧力に抵抗するための指針を提示している。インドは英国や欧州連合(EU)と貿易協定を締結し、カナダとの通商協議の予定を立てただけでなく、ホワイトハウスの侮辱的言動を無視し、米政府を再び交渉の席に着かせるために追加の譲歩を申し出た。
「彼ら(インド政府)は極めて迅速に軌道修正した」と、戦略助言会社アジア・グループのインド部門責任者アショク・マリク氏は語った。
米側では、トランプ氏が1月に側近のセルジオ・ゴー氏を駐インド大使として派遣した。これを一部の政治専門家は、米印関係をリセットする好機と受け止めた。ゴー氏は1月に公の場で初めて発言した際、貿易交渉の合意を実現させると約束した。
昨年7月の時点でインド政府は、米国との貿易合意が近いと考えていたが、同月末までにトランプ政権は、インドの貿易障壁引き下げが不十分だと述べるとともに、ロシア産石油を購入している国の中でインドを名指しで批判した。トランプ氏は、インドがロシアの戦争機構に間接的に資金を提供していると非難し、25%の相互関税に上乗せして25%の関税を課すことでインドを罰した。
昨年8月に発動された関税措置は、インドへの投資リスクに関する幅広い不透明感を生じさせた。これを受けて、2025年中に数十億ドルの機関投資家の資金が同国から流出し、通貨ルピーは下落基調を強めた。







