米国の公衆衛生政策を統括するビベク・マーシー医務総監は、大統領の首席医療顧問として政府の新型コロナウイルス対策を主導したアンソニー・ファウチ氏を除いた誰よりも、科学を政治的に利用し、公衆衛生の指導者たちに対する信頼を損なってきた。3日には、同医務総監がまたやってくれた。マーシー総監は同日、アルコール飲料のラベルにがんの発症リスクに関する警告を表示するよう勧告する報告を発表してメディアの注目を集めた。同報告は一部のがんについて、「(発症)リスクが1日に1杯かそれ以下の飲酒で上昇し始める可能性を示す証拠がある」と警告している。「可能性」という効果的な言葉に注目してほしい。大量飲酒と喉のがんおよび口腔がんの関連性は十分に立証されているが、適度なアルコール摂取との関連性を示す証拠は十分ではない。
【オピニオン】適度な飲酒に発がんリスクなし
米医務総監の報告書は証拠に乏しく、政府の役割拡大に重点
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