また、若年層と高齢層の双方でAAPCに上昇傾向が認められた13カ国のうち、チリ、日本、スウェーデン、オランダ、クロアチア、フィンランドでは若年層のAAPCの方が高齢層よりも高かったのに対し、タイ、マルティニーク(フランス海外県)、デンマーク、コスタリカでは若年層のAAPCの方が高齢層よりも低かった。

 直近5年間(2013〜2017年、一部の国を除く)における10万人年当たりの若年性大腸がんの年齢調整罹患率(ASR)は、オーストラリア(ASR 16.5)、米国(同14.8)、プエルトリコ(同15.2)、ニュージーランド(同14.8)、韓国(同14.3)で特に高く、ウガンダ(同4.4)とインド(同3.5)で低かった。

若年生大腸がんに特徴的な症状に
対する認識を高める

 Sung氏は「この懸念すべき傾向が世界規模で広がっていることは、食習慣、運動不足、過体重に関連するがんを予防し、制御するための革新的なツールを開発する必要性を浮き彫りにしている」と述べている。

 その上で同氏は、「このような傾向の背後にある要因を特定し、世界中の若年層や地域のリソースに合わせた効果的な予防戦略を開発するには、継続的な取り組みが不可欠だ」と話す。

 同氏はさらに、「若年層やプライマリケア提供者の間で、直腸出血や腹痛、排便習慣の変化、原因不明の体重減少などの若年性大腸がんに特徴的な症状に対する認識を高めることは、診断の遅れを減らし、死亡率を低下させるのに役立つ可能性がある」と付け加えている。

 一方、Cancer Research UKのMichelle Mitchell氏は、「年齢を問わず、がんの診断は患者とその家族に多大な影響を及ぼす。50歳以上の人に比べて若年成人でのがんの罹患率は依然として非常に低いものの、若年性大腸がん増加の原因を究明することは重要だ」と述べている。(HealthDay News 2024年12月16日)

https://www.healthday.com/health-news/cancer/colon-cancer-rates-are-up-around-the-world

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