カナダのアルバータ州に住むソーシャルメディアクリエーター、ブリタニー・ローリーさん(34)は今年、本を80冊余り「読破」した。といっても、文字は1字も読んでいない。ローリーさんは、オーディオブックで聴いた本を「読んだ本に数えている」と話す。「皿洗いをしながらドラゴン退治ができるなんて素晴らしい」出版社は人工知能(AI)や発禁処分などさまざまな課題に直面している。だが文芸界の一角で最大の争点となっているのは、より私的なものだ。それは「オーディオブック愛好家は読書家を自称できるか」だ。賛否は分かれた。ノースカロライナ州シャーロットに住むデジタルマーケターのテレサ・サットンさん(38)は、自身の立場を高らかに宣言した。ソーシャルメディア「ブルースカイ」への1回の投稿に、「オーディオブックは読書とみなされる」と7回書いた。このメッセージには、6万2000件以上の「いいね」と4000件近いコメントがついた。
本を聴くのは読書? 文芸好きが激論
「ながら聴き」だと重要な部分を漏らしやすいとの指摘にオーディオブック愛好家が反論
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