「職場の知名度や給料に、意味はありません」
そう語るのは、転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、「現場」と「経営者」の両方の視点で、「圧倒的に活躍する人たち」と関わってきました。
その高野さんがベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめた書籍『ベンチャーの作法』が刊行。発売たちまち重版し、“きれいごと”抜きの仕事論に、社員からは「ベンチャーにかぎらず全ての組織で役立つ!」、経営者からは「よくぞここまで書いてくれた!」と、SNSでも多数の感想が投稿されるなど異例の反響となっています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「仕事で本当に大事なこと」についてお伝えします。
「キャリア」なんてアップさせなくていい
「キャリアアップ」という言葉がありますよね。
私はこの言葉があまり好きではありません。
多くの人が言うキャリアアップとは、結局は「勤務先企業の知名度アップ」や「給料アップ」を意味しているからです。
大手企業や有名企業、ブランド企業に転職することや、転職して給料が上がることをキャリアアップと言っているんです。
「それはそうじゃないか」「何を当たり前のことを」と感じるかもしれません。
ですがそういった転職をした人ほど、転職できたことに安堵してその後の成長意欲が欠けてしまいます。
「会社の知名度」や「給料」は魅力的ではありますが、中長期で見ると害をなすリスクを持った、まるで「毒饅頭」であることが多いのです。
キャリアダウンからの逆転劇
むしろ、周囲から見ると「キャリアダウン」と感じるような転職をした人のほうが、その後に成功していることが多いようにさえ感じます。
私の知人に、新卒で入社した歴史ある中堅企業での安定した仕事を捨て、創業十数年のベンチャーに転職した人がいます。
もとの会社では与えられた仕事をしっかりこなし、それなりの評価も得ていたようなので、周囲からは「なぜそんな小さい会社に」と疑問に思われたそうです。
でも、もともとの仕事は自身がやりたいことではなく、スキルが身についている実感もなかったため、30歳を機に転職を決めたのだとか。
その結果、その人はベンチャーに転職して2年目で結果を出し、チームリーダーに抜擢。3年勤めた後、1社目よりも大きな会社に転職していきました。
真の「キャリアアップ」とは?
規模の小さい会社に転職すると「あいつは終わった」みたいに言われたりします。
ですが大事なのは、働いている会社の知名度や、給料ではありません。
結果を出せるやつに成長しているかどうか。
これがすべてです。
たとえ規模は小さくとも、活躍できる機会のある会社で頑張る。
そこで自分のレベルを上げ、結果を出し、評価され、より大きな仕事を任せてもらう。
それが真のキャリアアップと言えるのではないでしょうか。
(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)