誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【一発NG?】精神科医が教える絶対に自分に言ってはいけないNGワードPhoto: Adobe Stock

「一発でアウト」の逆を考えてみる

 普段私は「なんとでもなりますよ」「なるようになりますよ」といった前向きなメッセージを発信しています。だからこそ、「〇〇をしたら一発でアウト」というのは、ある意味で私のメッセージの正反対です。

 でも、逆にそのギャップを利用してみるのも面白いかもしれないと思い立ちました。実際、人生において「一発でアウト」なんてことが本当にあるのだろうかと考えてみると、それ自体が一つのテーマになると感じたのです。

人生はただ流れていくもの

 私は人生を、時間の流れとともにただ続いていくものだと思っています。自分の存在も、今という時間の中でただ流れているだけのこと。そこに特別な意味やストーリーを付け加えるのは、私たち自身の後付けです。

 しかし、人はどうしても自分の人生にストーリーを作りたがるものです。そして、そのストーリーを他人と比較してしまう。誰かと比べて自分の物語が劣っていると感じると、それが「アウト」だと思ってしまうのです。でも本来、そんなストーリーは存在しないのです。

 つまり「ただそこに在る」という感覚が近いでしょうか。今この瞬間を生きていることこそが人生であり、そこに「一発でアウト」なんてことはありません。

本当のアウトは存在しない

 もちろん、人生はいつか終わります。その瞬間がある意味で「アウト」と言えるかもしれません。でも、それまでは何があっても「一発でアウト」なんてことはありません。

 例えば、仕事をクビになったり、出世できなかったり、結婚が思うように進まなかったり、人生にはさまざまな困難があります。

 そんなときに「もうダメだ」「これで終わりだ」と感じることもあるでしょう。でも、それは本当のアウトではないのです。

諦めたら本当にアウトになる

 大切なのは、自分で「アウトだ」と決めつけないことです。「もう終わりだ」と思ってしまうと、それが本当に終わりになってしまうからです。

 逆に、どんな状況でも「なんとかなる」と思っていれば、自然と道は開けていきます。

 何事も完璧にうまくいかなくても、のんびりと、だらりと過ごしているうちに何とかなるものです。だから、「一発でアウト」なんてことはないと、自分に言い聞かせてください。

そのストーリーに縛られない

 人生には予期せぬ出来事や困難がつきものですが、それを「一発でアウト」と捉える必要はありません。

 ストーリーを作るのは自分自身ですが、そのストーリーに縛られることなく、今この瞬間を大切に生きていきましょう。なるようになるものです。安心してください。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。