やってもやっても仕事が終わらない、前に進まない――。そんな状況に共感するビジネスパーソンは多いはずだ。事実、コロナ禍以降、私たちは一層仕事に圧迫されている。次々に押し寄せるオンライン会議やメール・チャットの返信、その隙間時間に日々のToDo処理をするのが精いっぱいで、「本当に大切なこと」に時間を割けない。そんな状況を変える一冊として全米で話題を呼び、多くの著名メディアでベストセラー、2024年年間ベストを受賞したのが『SLOW 仕事の減らし方』だ。これからの時代に求められる「知的労働者の働き方」の新基準とは? 今回は、本書の邦訳版の刊行を記念して、その一部を抜粋して紹介する。

「月曜から集中できる人」はやっている! 今日から真似したい「仕事のマイルール」Poto: Adobe Stock

月曜は会議フリーにする

 月曜日には、会議を入れるのをやめよう。

 同僚に周知する必要はない。誰かが会議のためにスケジュールを尋ねてきたら、月曜日は無理だと言うだけでいい。月曜日は週全体の20%にすぎないのだし、その日が空いていなくてもほかの人たちにとって大きな損失にはならないはずだ。

 そしてあなたにとっては、得られる利益はとても大きい。週末から平日へ移行するタイミングで、心身の余裕ができるからだ。月曜のスケジュールがすっきりと空いていれば、日曜の夜もそれほど憂鬱にならなくてすむ。

 会議のない日は自分の仕事に集中できるので、重要なプロジェクトを進めるのにも絶好のチャンスだ。月曜がうまく合わないなら、ほかの曜日でもかまわない。金曜日を会議フリーにするほうが自分の仕事の進め方に合うかもしれないし、週の真ん中にクリアな1日があるほうが効果的かもしれない。

 このアイデアの鍵は、雑然と混み合ったカレンダーのなかに小さな平和の砦を確保することにある。

(本稿は、『SLOW 仕事の減らし方~「本当に大切なこと」に頭を使うための3つのヒント』(カル・ニューポート著、高橋璃子訳)の内容を一部抜粋・編集したものです)