住宅購入の資金を工面する住宅ローンは、個人にとって人生最大の支出です。多くの家庭にとって最大の負債であり、返済も長期にわたります。金利が上昇すると住宅ローンの金利負担も増えるため、新築住宅、中古住宅の購入に大きな影響を与えます。ジワジワと、不気味に長期金利が上がり始めた日本。今後も金利が上がり続けたとき、住宅ローンを抱えている人はどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。青春出版社の書籍『金利が上がると経済はこう動く』から、一般の人がとれる対策ををご紹介します。
金利の変動が住宅市場に与える大きな影響
住宅ローンの金利負担が増える金利上昇は、ただちに新築住宅、中古住宅の購入に大きな影響を与えます。まず、住宅市場全体の需要が鈍化し、住宅価格の下落につながる可能性があります。
住宅価格が下落すると、すでに住宅を所有している人々は資産価値の減少に直面することになり、住宅価値がローン残高を下回る「担保割れ」の状態になるかもしれません。
このように、金利上昇は家計のデフォルトリスクを高めます。金利負担額の増加で月々の返済が困難になると、最悪の場合、担保権を実行されて住宅を失う事態に陥る可能性もあります。
経済全体で見ると、こうした家計の増加は消費活動に大きなマイナスになります。これは一時的な動きではなく、金利上昇局面では影響が長引きます。