固定か変動かはキャッシュフローの総額で決める
住宅ローンを申し込む際には、見かけの金利水準だけでなく、実際に毎月の返済額がいくらになるのか、その安定性に注目することが重要です。固定金利ローンは契約時の金利が借入期間全体にわたって一定であらかじめ返済額と利払い額がすべてわかるため、長期的なキャッシュフロー計画や収支計画を立てやすくなります。
固定金利ローンは金利が一定であるため、返済期間中の月々の返済額も変わりません。変動金利ローンの場合、初年度は固定金利ローンより低い金利が適用されることが多いですが、金利動向によって返済額やキャッシュフローの予測は変動します。将来的に金利が上昇すると返済額も増加します。したがって、変動金利ローンの場合は固定金利の場合ほど将来を見通すのが容易ではありません。
キャッシュフローの管理は、住宅ローンを返済するうえで極めて重要です。特にローンを組む場合、固定金利を選ぶか変動金利を選ぶかを決めるために、総返済額(キャッシュフローの総額)を比較します。将来にわたる支出の総額を現在の視点で評価し、最適な選択を行うためです。
住宅ローンの返済は、ほとんどの家計にとって最大支出項目です。月々の返済額が家計のキャッシュフローに与える影響は大きいため、住宅ローンの返済計画ではキャッシュフローの安定性が重要です。
住宅ローンの返済方式には元利均等払いと元金均等払いがあります。元利均等払いは毎月の返済額が一定です。当初は利息部分の返済が多いものの、やがて徐々に元金部分の返済が増えていきます。
また、元金均等払いでは毎月の元金返済額が一定で利息は残高に応じて変動するため、返済当初の月々の返済額が高くなりますが、返済が進むにつれて総返済額は減少します。キャッシュフローの安全性を確保するには、家計全体の収支を把握し、計画的な支出を行うことが求められます。固定金利ローンを選択すれば将来の金利変動リスクを回避し、安定した返済計画を維持することができます。
一方、変動金利ローンを選択すれば固定金利に比べて低い水準の金利を享受できますが、将来の金利上昇リスクに備える必要があります。その場合、将来の金利上昇シナリオをあらかじめ作成し貯蓄によって備えるなど、リスクに応じた対応をとる必要があります。