家の模型とお札のレプリカの画像写真はイメージです Photo:PIXTA

17年ぶりに「金利のある時代」に突入した。住宅ローンを変動金利で借りている人は、日銀の政策金利が1%を超えるようだったら総返済額を抑えるために、対策を講じたほうがいい――。そうアドバイスするのは。『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)の監修者で家と住宅ローンの専門家、千日太郎さんだ。後編では住宅ローンの金利上昇による負担増を回避するための“秘策”を紹介する。※本文内の金利は2024年12月22日のものです。最新の数字は金融機関が公表する情報を確認してください。(取材・文/ジャーナリスト 村田くみ)

住宅ローンを組んで10年未満の人は
何もアクションをしないほうがいい

 住宅ローンを組む人の7割が利用する変動金利は、金融期間が短期間、企業に貸し出す短期プライムレート(短プラ)と連動して、日本銀行の金融政策(政策金利)から影響を受ける。「日銀の政策金利が1%を超えるようだったら、借り換えや住み替えを視野にいれたほうがいい」と、千日さんはアドバイスするが、住宅ローンを組んで10年未満の人は何もアクションを起こさないほうがいいという。

「基本的に条件さえ満たせば新築物件で13年間、中古物件で10年間住宅ローン控除を受けられます。変動金利で住宅ローンを借りている人の中には、今後金利が上がることを想定して、早いうちから繰り上げ返済をしている人も多く見かけます。ここで大事なのは住宅ローンの控除率は年末時点での住宅ローン残高の0.7%ということを再確認してください。0.7%は一般的な変動金利よりも高いので、利息支払い分より多くの金額が還付されるのです。この間は、繰り上げ返済も借り換えもしないで、貯蓄する期間と割り切ったほうが得策です」

 住宅ローン控除の適用期間が過ぎたときには、変動金利は上昇しているかもしれない。その場合は、無理に繰り上げ返済をするよりも、売却したほうがトータルの返済額を抑えられる可能性が高い。