誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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人間関係は無理にフォローしなくていい
人間関係にはいろいろな形がありますが、どうしても悪化させてはいけないと思い込んでしまうことがあります。
少し疎遠になったり、誤解を受けたかもしれないと思うと、何とかフォローしようとする気持ちが湧いてくるものです。
その気持ちはとてもよくわかります。でも、無理にフォローしたところで、結局あまりよい結果にはつながらないことが多いです。
成り行きに任せることも大事
人間関係において、誤解やすれ違いはどうしても起こるものです。それはタイミングの問題だったり、ちょっとした言葉の選び方だったり、さまざまな要因が絡んでいます。
本当に誤解されているのかどうかも定かではないし、もし誤解されていたとしても、無理にフォローしたからといって、その関係が改善するとは限りません。
そもそも、誤解が生じるという時点で、その相手とはあまり相性がよくない可能性が高いです。相性が良くない相手と無理に関係を続けようとすれば、また似たような問題が起こるでしょう。
そうなると、結局フォローしたことが裏目に出てしまい、また不要なストレスを抱えることになります。
縁のある人とは自然にまたつながる
無理にフォローしなくても、縁のある人とは自然とまたつながるものです。もし本当に相手が自分との関係を大事にしたいと思っていれば、何かのきっかけで「久しぶり」「また会いましょう」といった流れになることがあります。
過去のちょっとした行き違いは、時とともに自然に流れていくものです。逆に、無理にフォローを重ねることで、かえって不自然な関係になってしまうこともあります。
お互いに対等でない関係が続いてしまうと、どちらかがストレスを抱え、やがて関係そのものが疲れてしまいます。そうなるくらいなら、最初から無理にフォローする必要はないのです。
無理にフォローすることで生じる問題
人間関係を無理にフォローしようとすると、その瞬間から関係性が変わってしまいます。特に、片方が一方的にフォローし続けると、対等な関係ではなくなり、歪んだ関係が生まれてしまうのです。
その対等でない関係が続くと、違和感や負担を感じるようになり、結局はどこかで関係が破綻してしまうことが多いです。
ただし、これはあくまでプライベートな人間関係の話。仕事の場面では、フォローが必要な場面も多々あります。クライアントとの関係や職場でのやりとりでは、大人として適切にフォローすることが求められるでしょう。
しかし、個人的な関係では、無理にフォローすることが必ずしもよい結果を生むわけではないということです。
自然な人間関係を大切に
人間関係は、無理に構築しようとしてもうまくいきません。自然な形でつながるものが、本当に自分にとって心地よい関係なのです。
だからこそ、「どうしてもフォローしなければ」と思い詰めるのではなく、自分にとって心地よい距離感を大切にすることが重要です。
もし自分に非があると感じるなら、謝ることやフォローすることも必要ですが、そうでない場合は、無理に何かをしなくてもいいのです。
自然に流れる関係を信じて、必要以上にフォローしないという選択肢を持つことも大切なのではないでしょうか。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。