誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【精神科医が教える】成功しても満たされない…出世を目指す人ほど“幸せを逃す”理由とは?Photo: Adobe Stock

幸せの原型は子ども時代にある

 大人になると、出世欲や成功への執着、さらにはお金に対するこだわりなども強くなり、本当の幸せが見えにくくなることがあります。

 しかし、どれだけ出世し、成功を手にしたとしても、それが必ずしも幸せにつながるわけではありません。

 なぜなら、出世や成功は単なる欲望の一つであり、それが満たされることで幸福感が持続するわけではないからです。

成功と幸せは別のもの

 成功や出世を目指すことが悪いわけではありません。それに夢中になることで得られる達成感や周囲からの評価には、確かに魅力があります。

 しかし、それが本当の幸せなのかというと、そうではないのです。

 出世欲や成功欲が満たされたとしても、それに終わりはなく、次々と新たな目標を追い続けることになります。そして、その過程で本来の幸福感を見失ってしまうこともあるのです。

幸せの原点は子ども時代にある

 実は、幸せの原型は子ども時代にすでに体験しているものです。友達と楽しく遊んだり、家族と食卓を囲んだり、ただ健康でいられること。そんな何気ない日々の繰り返しの中に、本当の幸せがあるのです。

 ところが、大人になると仕事や責任に追われ、出世や成功を目指すあまり、そのシンプルな幸せを忘れがちになります。

 もちろん、努力して目標を達成すること自体は素晴らしいことですが、それが本当に自分を幸せにしているのか、一度立ち止まって考えることも大切です。

忘れてはいけない本当の幸せ

 もし、日々の生活で幸せを見失いそうになったときは、子どもの頃の自分を思い出してみてください。空を眺めたり、川の流れをぼんやりと見つめたり、ただ楽しく笑い合う時間を過ごしたり。そんな小さな幸せこそが、本当に大切なものだったりしたはずです。

 大人になると、どうしても余計なことに気をとられてしまいがちですが、子どもの頃に感じた素朴なことに対する幸福感は、今の自分にとっても変わらないものです。だからこそ、幸せとは何かを見失わないように、心の中にある原点を大切にしていきたいですね。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。