ミッションの考え方は西洋的?
そもそも、仕事において「目標ややりたいことがあるのが良い」という考え方自体、ものすごい最近になって作られたものじゃないかなと思っています。
あまり歴史に詳しくないんであれなんですが、超簡単に労働観みたいなのの推移を説明すると……。
古代とか中世のキリスト教が普及している世界では、「労働は人間に課せられた罰」みたいな感じでした。
その後に、労働は祈りとか瞑想とかと同じで重要だよねー、みたいな感じになっていって、ルターの宗教改革くらいの時に「神様から与えられた仕事をめっちゃ頑張ることって、僕たちの使命だよね!」みたいなのが出てきて、ここからcallingという概念が出てきます。これは日本語だと「天職」みたいな感じですね。
そこからフランス革命や産業革命、アメリカ独立などを経て、工場による労働者の時代から、イギリスのウイリアム・モリスによる「Art & Craft 運動」の中で「仕事そのものに喜びがあるような職人の仕事って、Laborじゃなくてwork(作品)だよね」みたいな話ができたりして……。
そっから「サラリーパーソン」みたいな給与をもらう人たちが主流になり、そこから「仕事の中で自己実現や社会貢献の機会が欲しい」となっていった、というのがざっくりとした流れだと思います。
そして、ここで重要なのって、このあたり、やはり西洋主導のところがあるのです。そして西洋って、やはりキリスト教的な観点が長くベースにあるんです。
雑な発想かもしれませんが、「神から与えられた使命」みたいな時期が結構長かった西洋において大事なのって「仕事をする意味や、使命感」なんじゃないかなと。
このあたりの歴史は、『働き方の哲学』という本のコラムで書いてあるのでご参考にしてください。ちなみにこの本、結構「働くとは」ということに対して哲学について、体系的にまとまっているので俯瞰して見る時には面白いです。
話を戻しますと……西洋と比べて、東アジアでは、中国の儒教の影響があるためか「労働は美徳」みたいな感じの時代が長くあります。これは日本も似たものがありますよね。