「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字に弱いと損する理由」について紹介したい。

「計算は電卓に任せている」人ほど要注意! 職場で「一発アウト」になる決定的なミスとはPhoto: Adobe Stock

「数字に弱い人」は損ばかりする

みなさんは職場で「数字」を扱うことは多いですか? 業種や業態によってさまざまだとは思いますが、数字を扱うことのない仕事はあまりないのではないかと思います。

では、その数字、みなさんは得意ですか? 「正直、苦手ではない」という人もいれば、そうではないという人もいるかもしれませんね。

しかし残念ながら、「数字に弱い」ことはデメリットにしかなりません。今回はその理由を紹介しましょう。

数字に弱いと「損得」を理解できない

でも、「計算は、電卓やExcelに任せるべき」――素晴らしいご意見です。たしかにおっしゃるとおりで、計算そのものを正確に行うなら、電卓やExcelに任せるべきです。これは間違いありません。

しかし、電卓やExcelに頼りきるのは間違っています。理由は一つ。「その計算結果の意味を理解できないから」です。

たとえば、数百円の買い物をして1000円札を出したのに、お釣りで1万円が返ってきたらどう思いますか? 明らかにおかしいと気づきますよね。なぜなら、お釣りで1万円札が返ってくることは基本的にはありえないからです。

ビジネスの数字に「ピンとこない」人のリスク

こういった日常で使う数字の感覚であればピンとくる人は多いのですが、ではビジネスではどうでしょうか。細かい数字なら良いかもしれませんが、扱う数字は「億」単位などの大きな額だったり、「%」や小数が使われていたりして、より複雑になります。

こうなると、数字の意味にピンとこない人はついていくことができません。つまり、その数字が一体何を意味しているのか、どうしてこの数字になったのかなど、「本来ちゃんと考えればわかるはずの数字の意味や損得」を見逃してしまっている可能性があるのです。そもそも数字のことを理解していない人の提案よりも、理解している人のほうが説得力はありますよね。

「数字に弱い」ことはこういった点で不利に働いているかもしれません。今日からでも大丈夫ですので、少しずつ数字と向き合う習慣をつけていきましょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)