「青山学院」の影響と「豊島岡」英語の行方
Aランクの私立校を見よう。再注目は男子も出願者数が激増中の青山学院だろう。元々女子に人気ということもあり、2024年の受験者数で比べると、3日午前のツートップである豊島岡女子学園[2回]と鴎友学園女子[2回]をわずかに超えている。このまま3日にとどまるか、2日と3日の2回入試を行うと、さらにステータスが上がる気もする。
24年は2日の実績だが、459人が受けて5.04倍(23年5.59倍、22年4.99倍)と高止まりで、12月の志望者数は1割半増だった。出願状況は男子の5割増ほどの勢いはないものの、1割増のペースであり、23年実績に戻すかもしれない。
もはや東京女子御三家と並ぶ存在の豊島岡女子学園も25年の話題校だ。[2回]は456人が受けて6.71倍(23年7.95倍、22年9.87倍)と年々緩和したものの、過酷な競争状況には変わりない。志望者数は微減だが、出願状況はほぼ前年並みの微増で、25年も6倍台後半は保たれそうだ。
25年から導入した[算数・英語入試]は出願を締め切った。いずれも若干名の募集だが、2日[1回]106人、3日[2回]89人、4日[3回]91人で、合計286人となった。文字通り若干名しか合格しないようなことになると数十倍になりかねないのだが、合格者を何人出すのか、どのくらいの優秀層が挑むのか。いずれにせよ、これによって豊島岡女子学園のステータスがもう一段上がることだけは間違いないだろう。
451人で3.27倍(23年4.97倍、22年4.82倍)の鴎友学園女子[2回]も、24年に緩和している。志望者数は微増で出願状況は1割増と、25年は3倍台半ばを目指す展開となっている。
もう一つのAランクは慶應義塾中等部[一次]である。349人が受けて、合格した117人のうち106人が5日の[二次]に挑んだ。一次の倍率は2.98倍(23年3.2倍、22年3.23倍)で、男子の2.34倍(23年2.41倍、22年2.93倍)と比べると、募集定員が少ない(男子約120、女子約50)こともあり、明らかに女子のハードルが高い。[二次]で56人が合格、1.89倍となった。男子の志望者数は前年並みだったが、女子は1割半減少している。思い当たる節は、青山学院に吸い取られた、ということしかないのだが、どうなのであろう。
ここからはBランクとなる。女子校には浅野のように1000人以上もの受験生が集まる学校はない。伝統女子校が奮闘している。292人が受けて6.49倍(23年3.69倍、22年6.38倍)と24年に跳ね上がった学習院女子[一般生B]と271人で5.65倍(23年4.58倍、22年3.54倍)の東洋英和女学院[B日程]の2校なのだが、志望者数は両校とも微減だった。出願状況を見ると、さすがに倍率が上がりすぎた学習院は1割減のペース、東洋英和も1割弱減で、25年は6倍割れと5倍台前半にそれぞれ緩和しそうである。
明治大学付属明治[2回]も志望者数2割減と緩和傾向だった。176人で3.91倍(23年3.67倍、22年4倍)と比較的安定しているのだが、出願状況は1割減程度に戻している。25年は23年実績に近づきそうだ。もしかすると、3日に移ってきた青山学院に少し吸い取られているのかもしれない。