増加傾向にある「大妻」「安田学園」「東京女学館」

 Bランクには、千葉の2校も入った。東邦大学付属東邦[後期]は、159人が受けて14.45倍(2023年20.18倍、22年7.38倍)と狭き門ではあるものの、合格者が11人と男子の9人よりも多かった分だけハードルは下がった。132人で10.15倍(23年25.71倍、22年5.16倍)とこちらも狭き門の昭和学院秀英[2回]は、24年に倍率が半減した。志望者数は1割半減と微減だ。出願状況は東邦大学付属東邦が微減ペースに戻しており、25年はいずれもいささか緩和するものと思われる。

 ここからはCランクである。まずは女子校から見ていこう。278人が受けて3.76倍(23年3.02倍、22年4.5倍)の大妻[3回]と177人で1.97倍(23年1.64倍、22年2.68倍)の横浜共立学園[B方式]である。志望者数は1割弱減と1割減だった。出願状況は大妻が1割弱増に転じた一方で、横浜共立学園は前年比7%減で募集を締め切っている。25年は、大妻が4倍に迫り、横浜共立学園は23年実績に近づくことになりそうだ。

 共学校は大学の系列校に人気がある。215人が受けて5倍(23年5.14倍、22年5.26倍)と比較的安定していた法政大学[2回]の志望者数は2割減、170人で6.54倍(23年5.24倍、22年4.96倍)と上がり調子だった明治大学付属八王子[A方式2回]は前年並みだった。出願状況を見ると、法政は微減に。明治は男子が2割減だったので1割半減の女子はまだ奮闘している。25年は法政が5倍割れ、明治が23年実績に近づきそうだ。

 千葉の専修大学松戸[3回]は、男女20人の募集に対して70人で5.38倍(23年3.35倍、22年13.83倍)と変動が大きい。二つの入試区分があり、4科の[A]の志望者数は1割半減だった。出願状況は1割減のペースで、25年は5倍を割りそうだ。

 41人で5.13倍(23年8.4倍、22年4.25倍)の安田学園[5回]は、志望者数が3割半増と好調だったが、出願状況も2割増のペースとなっており、25年は6倍を超えそうだ。

 3日午前のDランクは、共学校が並んでいた男子とは異なり、女子校が圧倒している。296人が受けて5.58倍(23年4.8倍、22年3.15倍)と、年々倍率が上がった三輪田学園[3回午前]は、志望者数は微増だったが、出願状況は微減ペースで、25年も5倍台半ばを維持はできるか。206人で3.55倍(23年3.51倍、22年3.55倍)と安定している富士見[3回]は志望者数が2割半減で心配されたが、出願状況は微増に転じており、25年は3倍台半ばから後半に向けて動きそうだ。

 202人で4.81倍(23年2.02倍、22年2.07倍)と、24年に跳ね上がった東京女学館[一般学級4回]は、志望者数が1割半減だったものの、出願状況は1割増ペースに転じており、25年は5倍に乗せるか。24年と同じく40人を募集する日本女子大学附属[3回]は、118人が受けて2.23倍(23年2.76倍、22年3.81倍)だった。志望者数は1割減だったが、出願状況は4割減ペースと振るわない。1日午後に新設した[2回]に受験生がシフトしてしまったのか、最後の伸びに注目したい。このままだと、25年は2倍を割ることが確実となる。その意味では狙い目の入試回ともいえそうなのだが。