エレベーターのシーンですね。入社初日に黒川専務(尾美としのりさん)と出会う場面で、専務が乗るエレベーターに一緒に乗らないという社内ルールに、金太郎が真っ向から噛みつくんですよ。「なんで乗っちゃいけないんだ!」と。原作でも有名なシーンです。
金太郎は、相手が誰であろうと関係なく、自分の信念を貫いて突き進む。腕っぷしで解決するシーンもあって、今の時代の価値観だと少し古風な印象を受ける面もあります。ただ、全てをストレートにぶつけるキャラクターだからこそ、独特の魅力があるんですよね。
一方で、金太郎の中核にある「対話を大切にする姿勢」や「どんな相手にも正面から向き合う姿勢」は、令和の今でも普遍的なことだと感じました。
どんな時代でも、すれ違いを放置すれば人間関係ってどんどんズレていく。でも、話し合えば意外と簡単に解決できることも多いですよね。結局、コミュニケーションを取ることが一番大事なんだと改めて気づかされました。そういう意味で、僕自身も金太郎から多くを学ぶことができたと思います。
「サラリーマンをなめんじゃねえ」
頑張っている人の代弁者になりたい
――作品の中で、特に印象に残っているセリフやシーンはありますか?
やっぱり、「サラリーマンをなめんじゃねえ」ですね。この作品を象徴するセリフだと思いますし、演じていても本当に気持ちよかったです。
世の中の大半の人がサラリーマンだと思うんですよ。家族や大切な人のために自分を押し殺して一生懸命頑張っている人たちがたくさんいる。その人たちの代弁者になるようなセリフだと感じました。
演じ終わってみると、本当に爽快感がありましたね。たくさんのアクションシーンや、普段は言えないような熱いセリフを全力で表現できたので。観てくれた人にも、同じようなスカッとした気持ちを味わってもらえたら嬉しいです。