バレンタインデーでは好きな人にチョコなどのプレゼントをするのが一般的ですが、自分のことを好きになってもらうにはどうすればいいのでしょうか。東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に、ジャーナリストの笹井恵里子さんが聞きました。(東北大学加齢医学研究所教授 瀧 靖之、ジャーナリスト 笹井恵里子)
「感情」と「記憶」には
密接な関係がある
![東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/8/3/300/img_83bb486835a3853517e9d0e1fe18480e594905.jpg)
2月14日のバレンタインデーでは、女性が好きな男性にチョコを渡して「想いを伝える日」というイメージが定着しています。好きな人にチョコのようなプレゼントをすることで、恋愛に発展する可能性はあるのでしょうか。
もちろんあるでしょう。
贈り物をされた側は脳が報酬を得て「うれしい」「幸せ」と感じます。すると、贈り物をくれた人のことや、そのシーンがより記憶に残りやすいのです。
「感情」と「記憶」には密接な関係があります。ものすごく嫌な経験も記憶に残りますが、日常生活の範囲ではポジティブな感情と記憶の方が結び付きやすいのです。感情をつかさどる「扁桃体(へんとうたい)」と記憶をつかさどる「海馬」が近い位置にあり、お互いに機能が相関します。
例えばうつになると、海馬が萎縮して記憶が落ちやすいのですが、それとともに扁桃体(へんとうたい)にも影響して感情が平坦になる傾向にあるのです。
ですからチョコを贈られた方が「うれしい」と感じると、記憶に残る。記憶として残るとfamiliarity(親密度)が上がる。「好きという感情は親密度が高いほど起きやすい」という報告があるので、バレンタインにチョコを贈る行為は恋愛に発展する可能性があるといえます。
男性から女性に贈り物をすることは
脳の共感に訴える行動
また多くの研究から、一般的に男性の脳は論理的思考、女性の脳は共感性が高く、人と何かを分かち合う傾向にあります。そのため特に男性から女性に贈り物をすることは、「あなたを想っている」という脳の共感に訴える行動なので思いが受け入れられやすいかもしれません。
欧米のバレンタインでは男性から女性に贈り物をするのが主流ですから、国内で男性からチョコをプレゼントする形もまたすてきですね。そしてカップルや夫婦間で贈り物をすることも、付き合い始めの頃の記憶が刺激され、脳にとっては心地良く、男女関係に良い影響があるでしょう。
ほかにも、バレンタイン時期を問わず、相手に「自分を好きになってもらう、とっておきの方法」が3つあります。