老化を病気に分類したい科学者が、数こそ少ないものの増えつつある。ただし分は悪い。老化の仕組みの科学的な解明が進んだことで、一部の科学者や医師、起業家が「老化は病気」と主張し始めている。こうした人々によれば、老化は病気や死亡の主な促進要因で、老化を病気に分類すれば、老化が関係した健康問題だけでなく、老化そのものを治療するための医薬品が承認されやすくなる可能性があるという。一方で、人口は高齢化が進んでおり、年を取っても健康で活動的な米国人は多い。そうした人々の多くや医療の専門家にとって「老化は病気」という考え方は侮辱的だ。年を取ることはそもそも悪いことではない。老化を巡る新たな主張に批判的な人々によれば、老化が病気に分類されれば、医師はさまざまな健康状態を「高齢だから」と切り捨て、高齢者の医療の質が下がる可能性があるという。老化を「治す」その場しのぎの対処法に機会を与えることにもなり、アンチエイジング業界による金銭的搾取を招く恐れがあると懸念する人もいる。
老化は病気? 科学者が論争
年齢についての考え方が変化しつつある
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