プレゼン途中なのに相手が何か言おうとしている…そんな時、三流は「うろたえる」、二流は「説明を急ぐ」、一流は何をする？

プレゼンの場面で、まだ話している途中なのに、聞いている相手が何か話そうとしている。このシチュエーションはドキドキしてしまいますよね。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一は、「こうした不安を抱える方々には、いつもある『魔法のフレーズ』をお伝えしています」と言います。本記事では、『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。

プレゼンが怖くなくなる！プロが教える“魔法のフレーズ”とは？

　プレゼン指導をしていると、日々さまざまな悩みを耳にします。先日も、こんな相談を受けました。

「営業提案書を説明している途中で、相手が口を開こうとすると怖くなるんです。何を言われるんだろう？って……」

　まだ話している途中で相手が何か言おうとしている──そんな状況にドキドキしてしまう気持ち、私にもよくわかります。こうした不安を抱える方々には、私はいつもある「魔法のフレーズ」をお伝えしています。それがこちらです。

「気になっているところは、ありませんか？」

　これは、相手に発言を促すための問いかけです。相手の言葉を怖がる人に、なぜあえて発言を促すフレーズを教えるのでしょう？ そう疑問に思われる方もいるかもしれません。

　でも、プレゼンの合間にこのひとことを入れるだけで、空気が変わり、不安も和らぐのです。

　相手の頭に浮かんだ疑問などを放置せず、その都度解消していくことこそ、双方がより深く分かり合えるプレゼンのカギとなります。

「話し続けるプレゼン」と「対話するプレゼン」の決定的な違い

　私は、プレゼンを「対話」だととらえています。

　プレゼンの場を「一方的に説明する場」から「対話の場」に変えたほうが良いと思うのです。

「プレゼンは最初から最後まで話しきらねばならない」
「事前に100％資料も作りこんで、あらかじめ予定しておいた順番でロジカルにプレゼンをしなければならない」

　多くの人は、このように思い込んでいるかもしれません。

　でも私は、そんな型にはまったロジカルなプレゼンテーションよりも、日本人の多くの方に説得力を増す方法があると信じています。