自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

プレゼンが超うまい人が「必ず守る原則」とは?Photo: Adobe Stock

プレゼンを成功させる「じゃんけんの原則」

じゃんけんは後出しのほうが強い。

しかし、プレゼンの場合は、どうしても自分が「先出し」になってしまいます。

そのため、相手はこちらの提案に対して反論をしやすくなるのです。

プレゼンですべての情報を出しきると、相手にたくさん反論ポイントを与えてしまいます。

しかし、そうではなく「はい、私はグーでした。あなたは何を出しますか? パーですよね。ちゃんとチョキも用意してますよ」と、質問に対して後出しで即座に切り返すことがプレゼンで一番強い形です。

元サッカー日本代表で、投資家としても活躍されている本田圭佑さんを相手に、私は出資を獲得するためにプレゼンをしたことがあります。

その際のプレゼンも伝える情報は絞っていました。

私のプレゼンのあと、本田さんは「興味はあるけれど、これだけでは出資判断がつかないから、いくつか気になる点を質問させてください」と言って「製造拠点とカントリーリスクについて」などの質問を挙げられました。

そのとき、私は「お待ち申し上げておりました」と言わんばかりに「1つ目のご質問に関しては、こういう答えがございます」と即座に回答できたのです。

すると本田さんも「なるほど。はい、わかりました」と納得を示してくださいました。

このように、質問に的確に答えることで、相手に「イエス」と言わせていく。

小さなイエスでもいいので、それを積み重ねていくことで相手も提案を受け入れやすくなります。

間違っても「カントリーリスクは不確実性が高いので、考慮してもしょうがないと思います」などと言ってはいけません。

たとえそれが正論だったとしても、その回答では相手の心配事に答えられていないからです。

相手には不満足な感情しか残りません。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)