ビジネスの世界では「話し方」一つで大成功を手にすることもあれば、大損失を被ることもあります。ただし、口がうまいからと言って仕事ができるわけではなく、むしろ口下手の方が結果を出すケースも少なくありません。ビジネスで求められる実践的「話し方」とは?この特集ではあなたの「話し方」を劇的にアップデートする書籍を厳選しました。今回は『研修女王の最強3分スピーチ』から、プレゼンや商談の命運を分ける厄介な質問のかわし方をお届けします。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)
難解な質問が飛び出す
最後の質疑応答が鬼門
編集長という仕事柄、外部で講演することがよくあるのですが、これが苦行でした。
経営者向けに日本経済の展望を語ったり、メディア関係者に雑誌からデジタルへのコンテンツ改革について話したり、企業の広報担当者に対してメディア業界の動向を披露したりと、訳知り顔にそれっぽい講演をするわけです。
ただ、もともとが上がり症。最初のうちは緊張して言葉に詰まりまくり、噛みまくり、恥の多い講演を経験してきました。失敗を繰り返すうちにもう何回噛んでもいいやと開き直れたことで、今はそれほど緊張しなくなったのですが、それでも失敗しがちなのが、講演の最後に待っている質疑応答タイムです。
編集長は博覧強記のはずと勘違いした方から、とんでもなく難解な質問をぶっ込まれることがままあり、この時間が私にとっての鬼門といえます。
最後の質問時間は、仕事のプレゼンや商談でも契約を勝ち取れるか否かの運命の分かれ道となります。『研修女王の最強3分スピーチ』では、不測の事態にもジタバタしない質疑応答の技術を伝授していて、著者の大串亜由美氏は「厄介な質問は『場』で共有しましょう」と説きます。
「中には、こちらを試すような質問、困らせたいだけの質問をする人もいます。そうした挑発に乗ってはいけません。あくまでも穏やかに、『○○さんだったら、どう考えますか?』と質問した本人に聞いたり、あるいは『私にはいま答えが見つからないので、どなたか他にご意見ある方はいませんか?』と、他の聴衆に投げかけてみましょう」と大串氏。
その上で、知らないこと、わからないことを突かれた場合は、潔く「わかりません」というのが正解。さらに、自分なりに考えて答えたものの、いま一つ自信がないという場合は、「……と考えています。この問題、今日お集まりのみなさんにとっても重要だと思うので、さらに詳しく調べて、メールでご報告したいと思います」と、きちんとフォローするのが大事だそうです。
「質問者の話が長く、トンチンカンなこともあると思います。難しい場面ですが、『覚えきれないので、まず、一つめの質問にお答えしますね』と、理由を添えて、話を一旦引き取りましょう。同じ人からの質問が続くようなら、『時間に限りがあるので、他の方にもご質問いただいていいですか?』とこれも理由を添えて話を引き取ります。決して、『たくさん言われても困るので、質問は一つに……』と、ケンカを売ってはいけません」(大串氏)
質疑応答には瞬発力が求められますが、コツをつかんで乗り切りたいところです。『研修女王の最強3分スピーチ』の本文には、上がり癖や話し下手は必ず直るとして、人前で話すのが苦ではなくなる営業トーク、企画プレゼン、朝礼挨拶といったスピーチの極意がぎっしり詰まっています。
オープニング・メッセージ/目次/[Welcom to the camp!]女王の教室へようこそ
[特別授業]本番3分前の応急スキル/[オリエンテーション]人前で3分話せるかどうかで、人生が変わる!
[LESSON1]30秒の「オープニング」と15秒の「クロージング」で聞き手を動かす
[LESSON2]聞き手をグッと惹きつける「コンテンツ」の組み立て方
[LESSON3]見た目と話し方の「デリバリースキル」で9割決まる!
[LESSON4]「3分」を制すれば、1対1の商談も1時間のプレゼンもうまくいく!
[LESSON5]【最強CD付き】今日からそのまま使える!研修女王「脚本・主演・演出」3分スピーチ集/クロージング・メッセージ
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