「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【10万人ってどれくらい?】すぐに説明できない人は数字に弱い二流。一流の“すごい回答”の中身Photo: Adobe Stock

「10万人」うまく説明できますか?

「10万人」って、どれくらい?

「10万人」と聞くと、具体的にどのくらいの規模を想像できるでしょうか? なんとなく、「大きい数字」とは思っても、実際のイメージはつかみにくいことでしょう。

しかしこれを次のように言い換えてみたらどうでしょうか。

「東京ドーム2個分の観客数」

「また東京ドーム……」と思う方もいるかもしれませんが、実際に東京ドームに足を運んだ方であれば、先ほどの「10万人」よりも鮮明にイメージができるのではないかと思います。

東京ドームの収容人数は約5万人程度のため、「ドームが2つ満杯になる程度」と思うと、実際の人数をかなり身近に感じられますね。東京ドームでなくても、甲子園もだいたい5万人弱入りますから、2個分と言えますね。その他、国立競技場、神宮球場、日産スタジアム…など、会場は何でもいいのですが、要は「数字をただ羅列するだけでなく、イメージしやすい材料を示す」ということが重要なのです。

数字に強い人は「くらべる」

数字に強い人は「くらべる」ことを常に意識します。

一方で、数字に弱い人は「10万人」といった数字を「なんとなく多いよね」と理解するにとどまりがちです。膨大な数をただ示されただけだと、全容がつかめず漠然とした印象だけが残ってしまうのです。結果として、会話やプレゼンテーションにおいて、相手の理解を深められず説得力を欠いてしまいます。

では数字に強い人は「自分も相手もピンとくるイメージ」を使います。たとえば広さを伝えたいときはサッカーコートや東京ドーム、あるいは有名な公園やコンビニの広さなどに置き換えてみる。金額ならば日常生活費や買い物の感覚などを基準にする。こうした実感に近い“モノサシ”を使うだけで、一気に実質「数字に強い人」の仲間入りすることができるのです。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)