ドナルド・トランプ米大統領のウクライナ批判や、ロシアとウクライナの和平実現に向けた米ロ協議の開始は、米国の最も近しい同盟・友好諸国に打撃を与え、北大西洋条約機構(NATO)が存続可能なのかという深刻な問題を提起している。トランプ氏は欧州が長年敵対する側につくことで、NATOの最も大切な資産に深刻なダメージを与えている。32カ国による軍事同盟のNATOを支持する欧米の人たちはそう指摘する。その資産とは、NATOの厳格な集団防衛義務から生じる抑止力だ。冷戦が始まった頃にソ連の脅威に立ち向かうために設立されたNATOは、互いに守り合う――必要なら核兵器によって――ことを誓った国々が一丸となれば、個別に対応するよりも強いという原則に基づいている。
トランプ氏のロシア寄り姿勢、欧州に衝撃
NATO弱体化とプーチン氏による攻撃を懸念
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