お気付きとは思うが念のために言うと、ドナルド・トランプ米大統領は良くも悪くも、政府の行政機関全体に対する支配を確立しようとしている。彼の最新の取り組みは、18日に発出された大統領令であり、それは証券取引委員会(SEC)などのいわゆる独立機関を新たにホワイトハウスの監督対象にする内容だ。この動きは憲法の重要な転換点となる可能性がある。連邦政府には、法を執行したり、その他の行政権を行使したりしているにもかかわらず、名目上は大統領から独立している何十もの行政機関がある。これはもともとの憲法の設計には含まれていなかった。こうした行政機関が定着したのは、20世紀初めの進歩主義時代だった。特にウッドロー・ウィルソン大統領は憲法が嫌いで、政治の支配から守られた、官僚的な専門家による政府を望んだ。その結果、今日の政府はSECやFCC(連邦通信委員会)、FTC(連邦取引委員会)、FEC(連邦選挙委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)、CFPB(消費者金融保護局)、FERC(連邦エネルギー規制委員会)、FDIC(連邦預金保険公社)、FRB(連邦準備制度理事会)など、アルファベットだらけの政府になった。