神奈川の男子校は聖光学院が大躍進
女子校は洗足学園が最難関校に
神奈川県の中学受験事情には、近年大きな変化が起こっています。男子校では栄光学園と聖光学院が依然として高い人気を誇っていますが、以前は栄光学園が頭一つ抜けた存在で、聖光学院、浅野がそれに続くという図式でした。ところが、今年は聖光学院が大躍進し、聖光学院と栄光学園がツートップ、続く浅野も安定した人気を保っているという状況です。
女子校では、洗足学園が神奈川の最難関校になりました。洗足学園はかねて音楽大学の系列校として知られていましたが、大胆な学校改革を行った結果、約1割を音楽大学への進学者として音楽教育の伝統も残しつつ、残りの約9割の生徒に対しては進学校としての総合的に高い教育力を提供しています。
その結果、学校の発表によると去年の東大合格者は学年238名のうち、15名(うち現役14名)となっています。特に「理系女子」の育成を主眼とし、高3まで数学を全員必修にするなど、理系教育にも力を入れている点も人気を集める要因となっているようです。
共学校の人気も高まっています。特に、法政大学第二中学校や神奈川学園などは、共学という環境に加え、進学実績だけでなく、豊かな学校生活や多様な部活動を提供する学校が注目されているようです。
東京と同じく「県またぎ受験」が多いのも神奈川の特徴です。前述の「50万円問題」はありながらも、特に東横線や田園都市線沿線に住む受験生は東京の学校と神奈川の学校を併願する例が多く見られます。その結果、この2路線沿線の学校は、ますます人気が高まっています。
東京都の二子玉川から神奈川県の学校へは15分程度でアクセス可能な場合もあり、逆に都内から神奈川県の学校に通学する生徒も増えています。特に朝の通学時間帯は逆方向となるため、混雑を避けられるというメリットがあるのも、選ばれやすい理由でしょう。
東京、神奈川に関しては、いずれも近年の傾向がより強まった印象の入試状況でした。次回は千葉、埼玉の受験事情についてお伝えします。
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