「しんどい現実に悩まない人に共通する、ある考え方があります」
そう語るのは、アートディレクターの川原マリアさん。「ニューヨーク・タイムズ」で紹介されるなど活躍する川原さんですが、6人きょうだいの貧しい母子家庭で育ち、12歳からの6年間を「修道院」で過ごしています。あらゆることが禁止された環境と向き合ったことで、思いどおりにいかない現実に「悩まない」ための考え方を身につけました。
その川原さんが「しんどい現実がラクになる考え方」をまとめたのが、書籍『不自由から学べること』。悲観でも楽観でもない現実とのまったく新しい向き合い方が、「読んで気持ちが軽くなった」と話題に。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、「絶対に悩まない人の考え方」を紹介します。

人生が思いどおりにいかないときに「しんどくなる人」と「絶対に悩まない人」のたった1つの違いPhoto: Adobe Stock

自分の「悩み」を理解してもらえない瞬間

「人には人の地獄がある」

 そう言われるように、幸せそうに見える人であっても、誰しも少なからず人生に「不自由さ」を抱えているものです。

 でも、その不自由さを人に相談したとき。
 こんなふうに言われたことはないでしょうか?

 恋人ができなくて悩んでいるのに、「自由でいいじゃん」と言われてしまった。

 細かいことが気になる性格で悩んでいるのに、「あなたみたいな繊細さがほしい」と言われてしまった。

 親や家族から束縛されて悩んでいるのに、「大事にされてるってことでしょ」と言われてしまった。

 こんなふうに、あなたの悩み事が、他人には羨ましく映ってしまった。
 そんな経験は、ないでしょうか。

他人の悩みを「自虐風の自慢」だと感じる

「なんでわかってくれないの?」と、さらに不満を抱いてしまいますよね。
 ですが、その反対も起こり得ます。
 他人の悩みを聞いて、こう思ったことはないでしょうか?

 友達に家事や育児の愚痴を話されて、「家族や子どもがいて羨ましい」と感じてしまった。

 仕事が忙しすぎると相談されて、「充実していていいな」と思ってしまった。

 陰口に悩んでいると打ち明けられて、「活躍してるってことでしょ」と妬んでしまった。

 相手にとっては悩み事であるはずなのに、まるで「自虐風の自慢」かのように受け取ってしまった。
 そんな経験が、誰しもあるかと思います。

しんどい現実の「見方」を変えてみる

 あなたと相手、間違っているのはどちらか。
 ……という話ではありません。

 見ている現実は同じでも、とらえ方によって、その意味は変わるということです。

 つまり「不自由」に感じている事実も、別の視点から見てみたら、肯定的にとらえられるかもしれません。

 たとえば目の前の悩ましい現実に対して、

「こんな意味があったのか」
「こんな学びを得られるのか」

 そう思えた瞬間、心はスッとラクになるでしょう。

 幸福か、不幸か。
 自由か、不自由か。

 それは定められたものではなく、自分の認識で決められることなのです。
 悩まない人はそのことを知っているから、しんどい現実に直面したとき、ただ思い悩むのではなく、「解釈を変えられないか?」と考えるのです。

(本稿は、書籍『不自由から学べること』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では他にも、「しんどい現実がラクになる考え方」を多数紹介しています。)