「できた!」→「またやってみよう」
「学び」を促進する流れ
(3)必要最小限のサポートを心がける
(1)、(2)と見てきましたが、「ただずっと見守っていればいいの?」かというと、そうではありませんね。成長を助けるためには、過不足のないサポートが必要です。そのときに考えたいことが「子どもがそのサポートを求めているか」「今、この子にそのサポートが必要か」ということです。
私たち大人はつい、結果だけを見て評価してしまいます。「できていない=学べていない」と思い、つい指摘して、最短で「できた」状態に大人の力でワープさせたくなってしまうのです。それでは子どもが自ら学ぶ機会を奪ってしまいます。
だから、「手出し口出し」を引き算して待って、見守り、必要なときに助けることで、子どもはいろいろなことを学ぶことができます。「あれ?違うな」「できない」と思ったときに、諦めてしまうのではなく、子どもなりに考えてみる。
さらには、「こうかな?」「どうかな?」と繰り返し試行錯誤する中で「ここが違ったんだ」と問題を発見して解決することができます。問題解決だけでなく、自分で訂正する「自己訂正力」の育みにもつながります。
そして、実際にできたときに「できた!」という喜びはもちろん、それを自分でやった喜びからくる「自分はできる」という有能感や自己効力感を育むことにもつながります。
そして、そのような経験や精神的な育みが「またやってみよう」という意欲につながって、「学び」を促進していくのです。
「手出し口出しの引き算」が
大人に良い影響をもたらす
もちろん大人にも良い影響があります。それは見守ることで余計な「感情」や「行動」が減ることです。ついハラハラ、モヤモヤ、イライラしていたところから抜け出すことができます。
最初は、手出し口出ししたくてウズウズするかもしれません。そのようなときは、物理的に離れ、少しずつ慣れていきましょう。そしてうまく見守ることができたら、そんな自分を認めてあげてください。