気をつけていただきたいのは、「それで?」「どうするの?」という質問をしないことです。

 長期的な見通しを聞いているのか、今すべきことを聞いているのかわからず曖昧すぎます。こういう場合、「とりあえず、謝りにいってきます!」と節の悪い答えが返ってくるのが関の山でしょう。

 しかし、最終的にどのようなゴールを目指すことを「解決」とするのかが明確になっていない以上、部下の「とりあえず」の行動が正しいかどうか判断することもできません。

まずはきちんと「ゴール」を描かせる

 目的地が決まらなければルートは決められないように、「どうするか」を考える前に行なうべきは、「何を目指すか」を決めることです。

 問題のゴールは、人間関係なら「仲直り」や「関係の解消」などが考えられます。また、仕事におけるミスであれば、「ミスの直前まで戻す」ことをゴールとする場合もあれば、「あえてミスを活かした形」を新たなゴールとすることもあるでしょう。

 部下に「どうするのか?」と質問する前に、目指すゴールについての質問を投げかけてみましょう。

「どんな解決を目指す?」
「どうなったらいいと思う?」
「どんな着地ができたらいい?」

 ゴールを描く上で忘れてはならないことがあります。

 それは「いつ」という時間軸の視点です。どんなにすばらしいゴールを描いたとしても、「いつ」がなければ、手段やルートを考えることができません。

 どこかに出かけるときも、「いつまでに着かなければいけないのか」で、取るべき移動手段は変わりますよね。

 目指したいゴールが描けたら、

「それをいつまでに解決できるといい?」

 と質問してみてください。

 でも、このような質問をすると、「すぐにでも」、「少しでも早く」などと答えが返ってくることがあります。気持ちはよくわかりますが、これは期限を決めていないのと同じです。そのような回答があったときは、

「遅くともいつまでに解決させる?」

 と、焦る気持ちをいったん抑えて、冷静に考えてもらうようにするといいでしょう。

 現実的な目標期日を具体化することで、その後の問題解決のステップで、よりよいアイデアを考えることができるようになります。