ネガティブな意見を逆手に取る法
ネガティブな人というと、みんなで「さあやろう」と盛り上がっているときに、
「でも、そのやり方は以前、失敗しましたよね?」
「予算を度外視していませんか?」
「目的がピンぼけしているのでは?」
などと言って邪魔をしてくる空気の読めない人、といった印象がありませんか。
しかし、見方を変えれば、ネガティブ思考な人は、「慎重さ」を取り戻す機会を作ってくれる人でもあります。彼らの意見には、自分が見落としていたことや失念していたことが隠れているかもしれません。
たしかに同じ失敗をくり返すのは賢くありませんし、予算はきちんと意識しておく必要があります。ゴールがボケてしまっては、その過程が正しいかどうかも判断できません。ネガティブな人の意見がじつは本質をついている、というのは珍しいことではないのです。
だから、ネガティブな人が何を気にしているのか、心配しているのか、質問によって掘り下げてみるのも一つのやり方です。
「心配しているのはどの部分?」
「どのあたりに不安を感じる?」
「リスクがあるとしたら、どういうところだろう?」
といったように、ネガティブ発言をこちらから深掘りしてみましょう。
気づかずにいた懸念点を指摘されたり、抜けていた情報を思い出させてくれたりと、思いがけず有益な意見を聞ける可能性があります。
同時に、ネガティブな発言を、ポジティブで協力的な意見に言い換えるための質問を、それとなく投げかけてみたらいいと思います。
意味するところは同じでも、少し表現を変えるだけで、周りに受け入れてもらいやすくなるからです。
「以前の失敗をくり返さないためには、何に気をつければいいかな?」
「予算内に収めるために、どんな工夫ができるだろうか?」
「目的からズレないためのアイデアを出してみない?」
ネガティブな部下の意見を踏まえつつ、それを言い換えた表現を使って質問を投げかけることで、前向きに考えるお手本を示してあげてください。そこから本質をついた意見が出てくれば、会議を活性化することにもつながるはずです。