2025年の「トランプ・トレード」とはドナルド・トランプ米大統領が標的とする領域の株式を買うこと、つまり「反トランプ・トレード」だとすれば、皮肉なことではないだろうか。今年はカナダ、コロンビア、メキシコ、欧州、中国のテクノロジー株のパフォーマンスはいずれもS&P500種指数を上回り、ドルは下落し、巨大テック銘柄で構成する「マグニフィセント・セブン」――そのうち5社のトップは大統領就任式でトランプ氏の後ろに立っていた――は米株式市場のけん引役から出遅れ組に転じている。「反トランプ・トレード」のように見えるものは、市場の大規模なローテーションというのが実態だ。この動きを後押ししているのは相互に無関係な一連の出来事、つまりウクライナを巡る和平の見通し、ドイツの景気刺激策に対する期待、中国のビジネス重視への転換、安価な人工知能(AI)、米経済の減速などだ。
トランプ氏の標的「負け組」株、なぜ「勝ち組」に
市場のローテーションは強気相場におけるけん引役の交代なのか、深刻な問題が迫っている兆候なのかを投資家は見極める必要がある
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