最大のリスクはトランプ政策
減税と関税引き上げ、日米株上昇の継続性は?
米大統領選挙はトランプ前大統領が激戦州全てを制して完勝、米議会選挙でも上院、下院ともに米共和党が過半数をとり、レッドスイープが実現した。
米大統領選後にS&P500は上昇し、一時6000ptを超え過去最高値を更新した。日経平均株価も一時3万9500円を上回った。
11月25日に、トランプ氏がメキシコとカナダに対する関税を25%に引き上げ、中国に10%の追加関税をかける考えをSNSの投稿で表明すると、市場は一時、不安定化したものの、関税引き上げはトランプ流の「ディール」戦術との見方が少なくない。
12月4日には、ダウ工業株平均が減税や規制緩和などのトランプ政策への期待を背景に終値で初めて4万5000ドルを超え、日経平均株価も4万円に迫った。
「トランプ復権」後の日米株の最大のリスクは、大統領選で掲げられた減税や関税引き上げ、移民規制強化などがどの程度、どの段階で実施されるのかが見えない不確実性にあることは間違いない。
だが現時点では、不安定化のリスクはあるものの日米株の上昇傾向継続をメインシナリオと考えている。
米経済は「軟着陸」を実現しつつある
失業率低水準、インフレ率も物価目標に接近
米経済については、以前から3つのシナリオが提示されてきた。
一つ目はハードランディング(米失業率の大幅上昇を伴うインフレ率の目標2%への低下)、二つ目はソフトランディング(米失業率の大幅上昇を伴わないインフレ率の目標2%への低下)、三つ目はノーランディング(インフレ率の再上昇)だ。