皆さんは、「郵政民営化」を覚えていますか?

 国営だった郵便局を民営化した、小泉純一郎内閣が行なった改革です。

 その結果、郵便局が、日本郵政という持ち株会社のもとで、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」「日本郵便」の3つの株式会社に分かれました。

 そのスタートが、2007年10月1日。

 その時、民間銀行となった「ゆうちょ銀行」は、民間銀行と同じルールになったので、破綻したら1000万円プラス利息までしか保護されません。

 その代わり、何年経っても貯金の払い戻しの権利は消滅せず、休眠預金等となっているお金も、請求すれば引き出せます。

権利が「消滅」する前に
郵便局へ問い合わせよう

 では、郵便局が民営化する前の2007年9月末までに郵便局に預けた定額郵便貯金、積立郵便貯金はどうなるのでしょうか(注2)。

 これには旧郵便貯金法が適用されているので、貯金は100%国が保護してくれますが、満期後20年が経過する時には、届け出のあった住所に「このままでは貯金が消滅しますよ」という案内が送付され、その後2カ月経っても払戻しの請求がない場合には、権利が「消滅」することになっています。

 そのため、2020年度は369億円、2021年度は457億円、2022年度は197億円、2023年度には155億円もの貯金が消滅しています。

 さすがに、「自分の貯金なのに、払い戻しができなくなるなんて理不尽だ」という苦情も多かったようで、2024年1月4日から、たとえば子ども名義でつくった貯金があり、それを親から知らされなかったケースなどは払い戻しに応じるなど、要件が緩和されています。

注2 通常郵便貯金の場合は、2007年9月末の時点で、最後の取扱日から20年2カ月を経過していないと、ゆうちょ銀行の「通常貯金」に引き継がれていますので安心してください。