「子どもが感情的になり、言うことを聞かない」「他の子と比べて、うちの子が遅れていないか心配」「褒美をつい与えてしまう」など、小学校6年間は、良くも悪くも親の影響を受ける最も多感な時期。自分で考えて学ぶ子は、どのような生活環境にあるのか。「指導実績」×「心理学」×「ベネッセのデータ」でわかった最高の教育を「声かけ」というシンプルな方法でお伝えします。誰でも一度は感じたことのある子育ての悩みを、簡単に解決できるのは「声かけ」を変えることです。『自分で考えて学ぶ子に育つ子育ての正解』より、「ほめ方」「しかり方」よりももっと大事な「声かけ」で、「子育てあるある」に対応したノウハウをお伝えします。

赤ちゃんのときは、自分で考えて学ぶ子そのもの。どこで変わっていくのか?
本来、子どもは何でもやりたいし、知りたいし、成長したい生き物です。それなのに、社会が、親が、先生が、子どもの興味関心を奪っていくのです。
赤ちゃんを想像してください。赤ちゃんは何も教わっていないのに、呼吸をし、動き出します。何度も何度も転んで、その経験を通して立てるようになっていきます。興味があるものは口に入れ、どういうものか興味をもちます。
親の言葉を聞いて、言語を習得していきます。何も教えていないのに、です。興味関心は、教えて育てるものではないことがわかります。
むしろ、今まで教えてきたことを手放すこと。子どもが本当にやりたいと思っていることを少しサポートするだけでいいのです。
子どもをよく見て、本当に必要な場面で、適した「声かけ」をする。適した「声かけ」がわかれば、親であるあなたのマインドが変わってきます。なぜなら、その声かけを一番聞いているのは、子どもではなく、あなた自身だからです。
そして、あなたの心が変われば、あなた自身が笑顔でいる時間が増えます。その結果、子どもも笑顔でいる時間が増えていきます。
小学校1年生は勉強が好き。6年生はみんな勉強が嫌い
小学校1年生のときは、みんなが
「小学校楽しみ。勉強好き。早くやりたい」
と言います。しかし、小学校6年生のときは、みんなが
「勉強したくない。嫌い」
と言うのです。これが、どの地域でも起きています。小学校に通う時期に、学習意欲が下がってしまう、この現実をなんとしても変えたい。変えられるのは「声かけ」でした。
一つひとつの声かけは小さなものですが、「声かけ」を学んだ親が毎日よい声かけをすることで、子どもが年齢を重ねても、好奇心をもって学習に取り組むようになります。
そんな子が多い授業では質問が絶えません。それは日常生活でも同じです。疑問質問をもって、解決へ向かう思考は、社会で生きていくための大きな武器になるのです。
(本原稿は、『自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』より一部抜粋、再編集したものです)