
国債金利1.5%台、円140円台後半
「日銀のタカ化」を市場は意識
日本銀行の金融政策決定会合が3月18~19日に予定されている。
日銀は1月に、政策金利(オーバーナイト・コールレート)を0.25%程度から0.5%程度へと引き上げた。これは事前に織り込まれていた利上げであり、植田和男総裁の記者会見にも問題はなく、市場で無難に消化された。
その時点で市場は、この先も利上げのペースは半年に1回程度にとどまり、政策金利の最終到達点(ターミナルレート)は1%程度という見方が多かった。10年国債金利も1.2%台前半で推移していた。
その後、市場の雰囲気はやや変化した。次の利上げは7月ではなく6月という見方が多数派となり、5月という思惑も出てきた。ごく一部だが、今月に利上げとの見方もある。
ターミナルレートは1%をはっきり超えていくとの見方も広まっており、それを反映して10年国債金利は直近では1.5%台まで上昇した。為替も1月利上げ前の150円台後半から、このところは140円台後半の円高になった。
こうした変化の背景として、第一に経済・物価情勢がおおむね日銀の見通しに沿って動いていることがある。冬のボーナスは高い伸びとなり、昨年10~12月の実質GDP成長率も市場予想を上回る前期比年率+2.8%となった。
さらに日銀幹部から“強気発言”がやや目立つようになったことも、「日銀のタカ化」、追加利上げの地ならしとの見方が市場の一部にある。
はたして利上げペースの前倒しはあるのか。