FRBの“利下げ減速”が引き金
日銀来年1月は追加利上げ!?
日本銀行は12月18~19日の金融政策決定会合で政策金利据え置き、市場の一部などで予想されていた利上げを見送った。
会合後、記者会見した植田和男総裁は、来春闘に至る賃金上昇のモメンタムの状況をもうしばらく見る必要があることと、2025年1月に発足するトランプ新政権の政策や経済への影響で不確実性が高まっていることをあげ、その見極めにもう少し時間をかけたいという考えを示した。
この判断に影響を与えたのは、前日12月18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で示された25年の金利見通しで、利下げの回数が減らされたことだと考えられる。
FRB(連邦準備制度理事会)は、12月FOMCで24年9、11月に続き3回連続の利下げを決めたが、利下げをスタートさせた9月時点では、25年中に4回(▲1.00%ポイント)ほど利下げをするとしていた。それを12月のFOMCでは2回(▲0.50%ポイント)に減らす見通しだ。
FRBは、25年以降のトランプ政権のインフレ促進的な経済政策によるインフレ・リスクの高まりを感じて利下げができないと予想したのだ。
FRBも様子見をしたいと考えているなかで、植田総裁も同様に米国発のインフレ・リスクを警戒し様子を見たいということだろう。
だが筆者は、次の来年1月23~24日の日銀決定会合では追加利上げが行われると予想する。
今後、円安が進む中、日銀は25年には円安によるインフレ圧力をかわすため利上げを繰り返す可能性が高い。