1月決定会合で0.25%Ptの利上げを決定
政策金利17年ぶりの水準、25年度末は1%に!?
日本銀行は、1月23、24日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%Pt引き上げて0.5%とした。
2024年3月のマイナス金利政策解除と、同年7月の0.25%への利上げに続き、今次局面で3回目の政策金利引き上げになる。
1月9日の支店長会議で25年春闘でも賃上げ機運の高まりが報告されたことに加え、米国のトランプ新政権の政策運営については不確実性が高いものの、現段階では、日本に対する大幅な関税引き上げは表明されておらず、現状の経済・物価動向はおおむね想定内(オントラック)との判断があった。利上げを行わない場合にドル円相場が1ドル=160円程度まで円安方向に振れてしまうリスクにも配慮したと考えられる。
この判断には筆者も違和感はないが、今回の0.25%Ptの追加利上げで、家計は預貯金の利子収入増が住宅ローンなどの利払い増を上回り、全体では年間で0.6兆円程度のプラスの影響となる一方、企業は円高進展の影響も含めると、全体で経常利益が▲1%程度押し下げられる計算だ。
0.5%という政策金利の水準は、17年ぶりの高さに相当する。
日銀は今後も半年に1回程度のペースで利上げを続けると予想され、政策金利は25年度末には1.0%まで引き上げられる見通しだ。
長期間にわたって続いた大規模金融緩和で超低利に慣れ切ってきた日本経済だが、金融政策の正常化進展によって本格的な「金利のある世界」が近づいていることを認識する必要がある。