
一段と解像度が下がる中立金利
日銀は「緩和の調整」を継続
日本銀行は3月18・19日に今年2回目の金融政策決定会合を開く。今後、日銀はどこまで利上げを進めるだろうか。
これまで日銀は「金融緩和度合いの調整」を基本方針として利上げを進めてきた。「緩和度合いの調整」の終局で実現する政策金利は中立金利(安定した2%インフレと共存できる政策金利)に接近しているはずだ。市場はその中立金利を見極めようと苦心している。
しかし、中立金利が事前に具体的な数値で分かることはない。当然、中央銀行にも分からない。中立金利は関連データを収集した上で、最後は「心で感じるもの」とさえいえる。
さらに困ったことに、今の日本経済は中立金利を左右する(1)需給ギャップ(マクロ的な需要と供給能力の差=実際のGDPと潜在GDPの差)、(2)アンカーされた(「錨(いかり)で食い止められた」の意)予想インフレ率の立ち位置自体が一段と見極めにくくなっている。
需給ギャップは景気の強弱を、アンカーされた予想インフレ率はインフレの持続性を、それぞれ判断する機能を持つ。この「物差し」がぶれれば、ただでさえ見極めが難しい中立金利を予想することは一層、難しくなる。
深刻な人手不足の下、非製造業では余剰設備の稼働が難しくなっている。また、コメ価格の急騰は家計の物価観に予見しがたい影響を持ち得る。このような中、需給ギャップとインフレ予想のいずれも見極めが一層、難しくなっている。これは中立金利の“解像度”の低下に他ならない。
そうした中でも、日銀は「緩和の調整」という政策姿勢の下、2回の追加利上げをすると筆者は見ている。