「お金の悩みは、考え方ひとつで消せます」
自分の生き方や置かれた状況に「悩む人」がいる一方で、同じ環境にいても「悩まない人」がいます。ではどうすれば、「悩みやすい不幸体質」を卒業して、「絶対に悩まない人」になれるのでしょう。
その方法を教えてくれるのが、書籍『不自由から学べること ―思いどおりにいかない人生がスッとラクになる33の考え方』です。12歳からの6年間を「修道院」で過ごした著者が、あらゆることが禁止された暮らしで身につけた「しんどい現実に悩まなくなる33の考え方」を紹介。悲観でも楽観でもない、現実に対するまったく新しい視点に、「現実の見方が変わり、モヤモヤがスッと晴れた」といった声が多数寄せられています。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、「お金の悩みが消える考え方」を紹介します。

「お金がない」とき、不幸体質の人は「不安になる」。では、メンタルが強い人はどう考える?Photo: Adobe Stock

神様が教えてくれた「心の平安」を得る方法

 聖書に、「富」に関する話があります。

 とある議員が、イエスに「何をすれば永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか?」と尋ねたときのこと。

 その議員は昔から真面目にユダヤ人としての戒律を守ってきた人でした。

 しかし、イエスはこのように言います。

「あなたに欠けているものがまだ一つある。持っている物をすべて売り払い、貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」
しかし、その人はこれを聞いて非常に悲しんだ。大変な金持ちだったからである。

 ――ルカによる福音書 18章 22-23節

 ここでいう「天に富を積む」は「天の国を実現すること」、すなわち「心の平安を実現する」ことです。

 築き上げたものをすべて捨ててこそ、心の平安が訪れるだろうと説いたのです。

この世で得た「モノ」は、あの世に持っていけない

 さらにイエスは、このように付け加えます。

「財産のある者が神の国に入るのは、なんと難しいことか。
金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」

 ――ルカによる福音書 18章 24-25節

 執着や好み、実績、学歴、肩書き……生きている間に得たさまざまなものが、自分を鎧のように守ってくれて、満たしてくれる感覚に陥ります。

 しかし、そういったものは死ぬときには持っていけないし、この世で誰かとの平安を得るときも必要ないと、聖書は教えてくれています。

「目に見えるモノ」への執着を手放す

 どれだけ思い出の詰まった品も、死ぬときには手放す必要があります。
 それが、遅いか早いかというだけのことだと、この話は教えてくれました。

 むしろ、手放したモノへの気持ちを心に留めたことで、さまざまな感情や思い出が鮮明に蓄積され、心は豊かになったようにさえ感じました。

 こうして約6年をかけて、私は布団袋と段ボール数箱に収まる量の荷物で生活できるようになりました。

 目に見えるモノだけに執着していると、心を満たせない。

「モノを持てない」という不自由な環境が、モノよりも大切な「想い」を大切にする気持ちを教えてくれたのです。

(本稿は、書籍『不自由から学べること ―思いどおりにいかない人生がスッとラクになる33の考え方』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では他にも、「悩みが消える考え方」を多数紹介しています。)