いつも嫌なことが頭の中をぐるぐる巡ったり、「あの人のことを考えると不安やイライラが止まらない」と感じることはないだろうか。そんなとき、まず大切なのは、問題を解決しようとする前に、一度「ストレスをリセット」することだ。『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳)では、ストレスを抱えやすい人のために、科学的に実証された気分転換の方法を多数紹介している。本書は単なる事後対処にとどまらず、そもそもストレスを寄せつけない体質をつくる方法についても解説。ベストセラー『エッセンシャル思考』の著者グレッグ・マキューンも「この本は、人生の本質的でない混乱から抜け出したいと願うすべての人にとって、必読の救いの書である」と絶賛。今回は発売を記念して、特別に本書の内容を一部抜粋、再編集してお届けする。

「短時間の運動」で不安は解消できる
不安でいっぱいになっていても、短時間有酸素運動をするだけで不安を解消できる。
おまけに定期的な運動はストレス、うつ、不安を大幅に軽減することがわかっている。
身体や心臓に良いのは言うまでもない。
ある研究では12分間激しい運動をしただけで、心血管系とストレスに広範囲な改善が見られた。
ここで紹介する「自重トレーニング」は、トレッドミルで走るのと同じ生理的効果があることがわかっている。
有酸素運動を20分行うだけでも、認知機能や気分の改善、ストレスの軽減につながるような変化が脳で起きる。
心臓のドキドキを不安ではなく、「運動のせい」にしよう
あるクライアントは急な締め切りによるストレスで心拍数が上がり、不安のせいで集中できなくなっていた。
しかし、数分間全神経をバーピー[全身運動の一種]に集中しただけでパニックが和らぎ、心が静まり、やるべきことに戻ることができた。
激しい動悸を運動のせいにするほうが、自分で不安を制御できないと感じるよりずっと気分が良いのだ。
曲に合わせて極限まで腕立て伏せ→怒りが収まる
同じことが、怒りで身体をこわばらせている場合にも当てはまる。
それを「アップビートの曲に合わせて限界まで腕立て伏せする」ことにすり替えれば、怒りが収まるのを感じられるはずだ。
短時間でいいので心と身体を運動に使うと、ストレスが解消でき息抜きにもなる。
次の方法を試してみよう。
▼集中できそうなアクティビティを選ぼう。たとえば腕立て伏せ3回、スクワット3回、腹筋3回のセットなど。3分でも20分でも、現実的に取り組める長さにタイマーをかけ、できるだけ何度も繰り返す。
▼ハイニー、スクワットジャンプ、シザージャック(ジャンピングジャックに似ているが、足を横ではなく前後に動かす)、ジャンピングランジ、バーピージャンプの腕立て伏せなしバージョンを1ラウンド行う。
自分に合った方法を見つけよう
自分のニーズに合わせて内容を調整しよう。
音楽をかけて楽しむのもいい。お気に入りのフィットネスアプリがあったり、もっと長いワークアウトをする時間があったりするのならなお良い。
激しい運動が合わないなら、穏やかな運動を試してみよう。
ストレスの原因に心がさまよっても自分を責めたりせず、必要なだけ何度でも運動をすればいいのだ。
※『瞬間ストレスリセット』では、科学的に短時間でストレスを解消できる方法を多数紹介。その場しのぎではなく、ストレスに強くなるための習慣や対策(ストレス耐性を高める方法)も幅広く取り上げています。