いつも嫌なことが頭の中をぐるぐる巡ったり、「あの人のことを考えると不安やイライラが止まらない」と感じることはないだろうか。そんなとき、まず大切なのは、問題を解決しようとする前に、一度「ストレスをリセット」することだ。『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳)では、ストレスを抱えやすい人のために、科学的に実証された気分転換の方法を多数紹介している。本書は単なる事後対処にとどまらず、そもそもストレスを寄せつけない体質をつくる方法についても解説。ベストセラー『エッセンシャル思考』の著者グレッグ・マキューンも「この本は、人生の本質的でない混乱から抜け出したいと願うすべての人にとって、必読の救いの書である」と絶賛。今回は発売を記念して、特別に本書の内容を一部抜粋、再編集してお届けする。

ぐるぐる思考が止まらないときは、スマホを家に置いて近所を散歩しよう
ここでのポイントは散歩を満喫して、それに全神経を集中させることだ。
可能ならスマホを家に置いていき、少なくとも10分早歩きをする。自然を目にできればなお良い。
「ストレスの原因は家に置いていく」と心の準備をしよう。
誰しも経験があると思うが、散歩をしたり自然の中で過ごしたり、その瞬間を満喫したりする行動はどれも人生に余裕を与えてくれる。3つとも組み合わせれば健康への貴重な投資になる。
fMRIで脳をマッピングした研究でも、自然の中を60分間歩いた人は、感情の処理を司る脳の扁桃体の活動が抑えられていた。
ある程度エネルギーを消費する歩き方なら、10分でも効果があるという。
景色を変えるだけで、行きづまった状態から簡単に抜け出せる
自然の中にいると、ポジティブな感情が湧いたり、反芻思考が減ったりする。
つい「今は休憩する時間などない」と考えがちだが、何かに集中したり景色を変えたりすることで行きづまった状態から抜け出すことができる。
研究でも示されているとおり、歩くと思考が明晰になり創造性もアップする。
周りの景色を心から楽しむことができれば、「今自分を悩ませているもの以外にも人生には多くのすばらしいものがあるのだ」と思い出せる。
ほんの数分、自分の周りにあるものを楽しもうとするだけでいいのだ。
1日11分以上の早歩きで死亡リスクが大幅に減る
さらに、歩くことはがんや心臓病のリスクを下げる効果もある。
196件以上の研究を分析した結果、1日11分以上早歩きをしただけで、死亡リスクが大幅に減ることがわかったそうだ。
※『瞬間ストレスリセット』では、科学的に短時間でストレスを解消できる方法を多数紹介。その場しのぎではなく、ストレスに強くなるための習慣や対策(ストレス耐性を高める方法)も幅広く取り上げています。