
早いもので、今年も3カ月が過ぎ、2024年度は間もなく終わりを迎える。年度末ということで、2025年度あるいは、その先を見据えた車両関係の取り組みが次々発表されているので紹介していこう。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
阪神電鉄が新型車両で初の
座席指定サービスを開始へ
まずは筆者の地元、東武野田線(東武アーバンパークライン)で9日、新型車両80000系3編成がデビューした。1月20日付「えっ、もう10年?『アーバンパークライン10周年』の東武野田線、今春の新型車両導入で懸念されること」で取り上げたように、これまでより短い5両編成の車両であり、朝ラッシュの混雑が懸念されていた。
初日の運用は明らかにラッシュど真ん中を避けている印象だったが、現地の様子を見ねばと思っていた。ところが、所定の停車位置に停車できない、ドアが開かないといったトラブルが相次ぎ、早くも運用から外れているようだ。
新型車両の発表も相次いだ。
阪神電鉄は10日、新型急行用車両3000系を2027年春に導入すると発表した。1月27日付「『ときどき速度違反の注意があった…』阪神電鉄がスピード違反を繰り返したワケが今じゃ考えられない…【鉄道史】」で書いたように、阪神は今年開業120周年を迎えるが、「開業120周年施策」と銘打った3000系は意欲的な車両となった。
驚くべきは、6両中1両で阪神初の座席指定サービスを開始するという内容だ。関西圏では京阪電鉄の「プレミアムカー」を皮切りに、JR西日本の「Aシート」、阪急電鉄の「PRiVACE」など座席指定サービスの導入が相次いでおり、ついに阪神も参入する格好だ。
これまでは京阪、JR京都線、阪急京都線の「京阪間」の争いが中心だったが、今後は戦いの舞台は「阪神間」に移りそうだ。JR西日本は既に、本数は限定的ながらJR神戸線にAシートを導入しており、阪神が対抗した形。今後は阪急神戸線にも導入が進むだろう。