「飾らない場所、飾らない私。みんなのライブ配信」というサービスコピーの通り、ふわっちは普通の人の日常が見られる場にもなっているのだ。

 視聴者がふわっちにハマるポイントとしては、配信者と視聴者がリアルタイムで交流できる、という点にもある。配信中にコメントをしても、大手配信サービスでは埋もれがちだが、配信者と視聴者の距離が近いふわっちの場合はコメントをしっかり拾ってもらいやすい。

「たぬき」の名前で匿名コメントができる

「たぬき」「キツネ」という表示名で匿名コメントができるのもふわっちの特徴だ。気軽に交流できる半面、“荒らし”も発生しやすい。

 Xやアプリストアを見ていると、「ふわっちのたぬきモードで匿名コメント荒らし多すぎ。昨日も配信者が可哀想になるくらい叩かれてた。運営なんとかして」「規約違反の配信通報したけど何も対応なし。運営の監視体制どうなってんの?」といった声が散見される。

ふわっちでは、視聴者が「たぬきの葉っぱ」アイテムを使って匿名でコメントでき、図のようなたぬきアイコンが表示される(ふわっちサイトより)ふわっちでは、視聴者が「たぬきの葉っぱ」アイテムを使って匿名でコメントでき、図のようなたぬきアイコンが表示される(ふわっちサイトより)

 事件当日、被害者の佐藤さんは山手線を徒歩で一周する配信をしていた。スマホ一台あれば気軽に配信できる、ふわっちのような配信サービスだからこそできる企画といえる。

 また、被害者が容疑者から借金をしていたという報道も出ている。機材がなくても、芸能人でなくても気軽に始められる、配信者と視聴者との距離が近い、収益化がしやすく“カネになる”……配信サービスそのものにもちろん罪はないが、ふわっちの特徴が悪いほうに出てしまった事件といったら、意地悪すぎる見方だろうか。