![【韓国・戒厳令騒動の行方】ユン大統領支持デモに1万3000人が参加、12万人がYouTubeライブ配信を視聴](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/9/b/650/img_9bd34308a4cd816959fcbf9effee9d9f221558.jpg)
2024年12月に始まった韓国の戒厳令騒動。丸2カ月以上経った今も、韓国の政治は混乱が続いている。当初は尹大統領が弾劾・罷免され、野党「共に民主党」党首が大統領となり、再び左派政権が成立するかと思われたが、ここに来て世論が変わってきた。尹大統領と与党「国民の力」の支持率が上昇し、尹大統領を支持する人々が声を上げ始めているのである。(韓国在住ライター 田中美蘭)
戒厳令騒動の尹錫悦大統領は現在、拘置所生活を送っている
2024年12月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による戒厳令発令に端を発した政治的混乱は、その後の弾劾と職務停止により、現在も韓国の国政に大きな影響を及ぼしている。尹氏は逮捕・起訴され、拘置所での生活を強いられている状況だ。裁判所の判断次第では、尹氏の罷免および大統領選挙という展開が予想されるが、世論は「尹氏の大統領失職と政権交代をこのまま黙って見過ごしていいのか」という空気が高まっている。尹氏および与党「国民の力」の支持率は、ここ1カ月で明確に上昇。さらに、尹氏を支持し、弾劾に反対する人々が声を上げ始めている。
当初、野党「共に民主党」は、尹氏が妻の金建希氏を守るために私的に戒厳令を発令したとして、これを「内乱罪」と主張。この主張に同調し、弾劾を支持する声が大半を占めていた。筆者の周りを見ても、右派や中道の支持層でさえ、「大統領が自暴自棄になって、おかしくなった」と批判的な声を上げていた状況であった。
しかし、尹氏が戒厳令の正当性を主張し続け、取り調べに対して一貫して黙秘を貫く姿勢は、国民の印象に変化をもたらしている。野党の主張やなりふり構わない強引な逮捕劇に疑問を持つ声も増加傾向にあり、この流れは確実に広がりを見せている。