子どもの頭に手を添える男性写真はイメージです Photo:PIXTA

筆者は「学級崩壊立て直し請負人」と呼ばれ、全国の公立小学校にて3000時間を超える飛び込み授業を行ってきた。そこで目にしたのは、全国学力テストで高い点数を得るために、子どもを無理やり型にはめる教育虐待とも言える光景だったという。教育現場でいま何が起きているのか?※本稿は、教育実践研究家の菊池省三『足型をはめられた子どもたち』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

子どもたちの机の
下にあったグレーの足型

 私は愛媛県出身で、親子二代学校教員でした。そんなことから四国の自治体や教育関係者に多くお声がけをいただき、飛び込み授業をやる機会が少なくありません。

 この日訪れたのは海の見える小さな小学校でした。校庭では子どもたちが天真爛漫に遊んでいました。ここで、私が10年にわたり全国津々浦々を回るなかでも強く記憶に残るシーンに出合うことになります。

 2016年のことです。その小学校の先生に以前から、「ぜひ学校を見にきてほしい」と依頼されていました。

 この日はまず、その先生が担任をしている1年生のクラスで飛び込み授業をやりました。低学年はかわいらしいものです。低学年を受け持ったころをなつかしく思い出しました。

 なぜなら教員時代、いつからともなく私は「高学年専門」という流れができていました。荒れているクラスを立て直してきた実績から、どうしても難しい高学年を任されることが多くなります。でも一度は、「1年生を担任したい」と頼んで持たせてもらったことがありました。