明石家さんまに松本人志が放った「キツいボケ」が象徴する「ダウンタウンの革新的な笑い」ダウンタウン(1995年撮影) Photo:SANKEI

●西川貴教が郷ひろみに「よろしくお願いします」とあいさつをして……
「よろしくお願いしますって、何も始まれへんけどな」(松本)

●初登場した「ドリカム」の中村正人に……
「その内巻きパーマがうっとうしいんじゃい」(松本)

●浜田の顔がブサイクだから好きと高橋真梨子に言われ……
「お前な!」(浜田)

●Kiroroを泣かした藤井隆に対して……
「(頭にかかと落とし)」(浜田)

 活字で読むと少々キツすぎる印象もあるが、収録現場やテレビ上では笑いに包まれていたのは確か。その芸風が時代に認められていたという証拠だろう。

シリーズ化こそしなかった
味わい深いスペシャル番組

明石家さんまに松本人志が放った「キツいボケ」が象徴する「ダウンタウンの革新的な笑い」『笑ってはいけないシリーズ』 Photo:SANKEI

 ダウンタウンには今でこそ、年始恒例の『ドリーム東西ネタ合戦』(TBS/ 2014年~)や『キングオブコント』(TBS/2008年~)、数年前までは年越しの定番だった『笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ)など、定期的に放送されるスペシャル番組がある。

 しかし、それら以前はほとんどなかったと言える。かつて90年代は、ダウンタウンがメインとなる番組企画はシリーズ化されることが少なかったのだが、その中には味わい深い番組も数多くあったことを紹介したい。

■『完全保存版!懐かしのアニメ名珍場面!』(フジテレビ/1991年)
 1960年代前半生まれで、名作アニメや漫画が次々と誕生した瞬間を目撃した二人が、少年の頃に楽しんだ懐かしのアニメについて振り返る番組。ゲストは、同世代の西村知美と森口博子。当時のアニメ番組のVTRを観ながらトークを繰り広げる構成で、かつて漫画家志望であった松本の豊かな見識が冴えわたっていた。また、西村知美が『うる星やつら』のファンクラブに入会し、限定グッズをもらえることを嬉々としてトークしたところ、浜田から「そんなん、いらんわ!」と一喝されるシーンも忘れられない。