ロブロックスに並ぶゲームは、キャラが死ぬ時こそ共通して四肢がバラバラになりはするが、ホラー・グロ要素が一切ないものが多い。しかしそれらを含むものも一定数あって、それはそれとして人気でテイストも幅広い。
洋風の館で悪魔的存在をいなしながらゴールを目指す古典的ホラーや、捕まったら死ぬぬいぐるみのようなキャラと必死の鬼ごっこをするといった、見た目はかわいいけど心理的な恐怖と緊張感がウリのものなどもある。数は少ないもののそれらの中に混じって人肉食を連想させる肉屋やピザ屋から脱出する、ちょっとグロい趣きのステージを踏破していくアクションがある。
大人もショッキングな
「スプランキー」のホラーモード
「スプランキー」(正式名称はIncredibox Sprunki)は、かわいいタッチのキャラが特徴の音楽ゲームである。キャラは20人、それぞれシンバルやベース、ボーカルといった自分のパートとフレーズを持っていて、それらのキャラを複数選んでアンサンブルを作っていくことができる。非常にシンプルだがちょっと触る分にはとても面白いゲームである。
しかしそれらのキャラが、ゲーム内である簡単な条件を満たすと「ホラーバージョン」や「ホラーモード」と呼び習わされる状態へと突入する。画面は暗くなり背景の空には実写の人間の目のようなものが複数浮かび、キャラは目が飛び出したり心臓が露出したり頭の一部が欠けたりとおどろおどろしい見た目になって音楽をヒステリックに奏でるようになる。これが結構、イラストのタッチはかわいいのに描写されていることがエグくて衝撃的である。
昨年夏に個人(当時15歳のタイ人)からリリースされたゲームだが、瞬く間に世界中で人気となってMODや2次創作が凄まじい勢いで作られ、どのキャラのどのバージョンがオリジナルなのかわかりにくいほどにまでなっている。
このスプランキーと先述のロブロックス、そしてイカゲームといった子どもに人気のコンテンツがクロスオーバーして大きな渦を作っている。ロブロックスにははたして公式のものか疑わしい「イカゲーム」的なゲームが複数アップされているし、スプランキーのキャラをごっこ遊び的に操作できるロールプレイもある。
Youtubeにはイカゲームの緑のジャージを着たスプランキーたちがショートストーリーを演じる動画なんかも多数投稿されている。そこでグロの要素がどれくらい強調されるかは制作者や動画によってまちまちで、まったく触れられないこともあればがっつりクローズアップされることもある。