「ドラえもんの国」で起きた配膳ロボの料理「横取り問題」、悪いのは果たして客だけなのか?写真はイメージです Photo:PIXTA

猫型ロボットと聞けば愛しく思ってしまうこの国において、飲食チェーンのあの配膳ロボは他国よりも好意的に受け入れられているのではないだろうか。しかし最近になって問題が持ち上がっている。なんと、勤務に勤しむ配膳ロボからメニューを「横取り」してしまうケースが見られるというのだ。(フリーライター 武藤弘樹)

多発する料理の横取り
食の安全はいかに確保されるか

 すかいらーくのしゃぶしゃぶ食べ放題チェーン「しゃぶ葉」にて、配膳ロボットが運ぶ料理を他の卓の客が横取りしたとの報告が相次いで、Xでは「猫ロボ運搬中の料理」というわりと長めで説明的なフレーズがトレンドワード入りするなどし、話題となった。

 配膳ロボットを利用する場合、通常だと客はロボの青く光っている棚に載せられた皿を取って無事チャンチャンとなるわけだが、途中の卓に座っている客がその皿を目的地到着前にかすめとってしまうことがある。結果、目的の卓、その料理を手にするはずだった客の前には、皿もなにも載っていない、青く光ってただ虚無を示すだけの棚が披露されることになる。

 すかいらーくホールディングスの広報室は、利用方法のわかりづらさや横取りが発生していることを詫び、利用方法(青く光っている棚の料理を取る)の周知を進めていく構えとのことである。

 このニュースは一見した印象から「横取りなんてとんでもない人たちがいるものだ」という観点から注目を集めたが、このニュースを右から左に流さなかった人(少なくとも元ニュース記事を最後まで読んだ人)は、「横取りがいとも簡単に起きうる配膳スタイルにこそ問題があるのではないか」と考えた。

 横取りが可能なくらい皿が無防備なら異物混入だって簡単だろうし、そんな状況に置かれている皿をはたして安心して食べられるものであろうか。本事案は顧客満足度の根幹に直接影響を及ぼす結構深刻な問題なのではなかろうか――という指摘が相次いだのであった。