
大ヒットしている『イカゲーム』のみならず、子どもの目に触れる範疇にあるフィクションやゲームの中にはさまざまな「グロい」表現が含まれることがある。保護者がハラハラすることもある現在の状況を眺めつつ、持っておきたい親としての心構えとは。(フリーライター 武藤弘樹)
大人だけでなく
子どもも魅了する『イカゲーム』
世界的にヒットした『イカゲーム』、そのシーズン2が2024年12月に公開されて再度話題を呼んでいる。
子どもたちの間でも顕著に流行っていて、未視聴の子どもたちがイカゲーム内で使われている平和然とした音楽を一緒に歌って踊ったり、メロディーをピアノで指1本で弾いたりする事例が全国で報告されている。
国内でも期間限定で関連のポップアップストアがいくつかオープンしている。3月初めまでやっていた新大久保のストアは体験型で、型抜きやめんこなど作中で取り上げられていた遊びの数々を実際にできるスポットだったが、これが小学生くらいの子どもたちで溢れかえっていたそうである。イカゲーム本国であるところの韓国ではもっと本格的なポップアップストアがオープンしていて、こちらも大人に並んで子どもにも人気だった。
しかし『イカゲーム』はどうあがいても子どもに適したコンテンツには見えない。配信されているNetflixでのレイティング(推奨年齢の区分)は「16+」で「16歳以上にオススメ」(※公式サイトより)となっている(映画のレイティングは映倫によって行われるが、Netflixも独自のレイティングを持っている)。
Netflixレイティングはその下にキッズ向けの7+と10+、中高生向けの13+という区分があって、16+は結構高い。それもそのはずで本編を少しでも見たことがある人ならわかるが、とりあえず人がよく死ぬ。しかもその死に方が、命乞いしている人が銃でバンバン撃たれて血しぶきが飛び散り隣にいる人を血まみれにするような塩梅で、子どもが視聴したらネガティブな影響を受けるのではないかと容易に想像させる内容である。
だが子どもたちに大ウケであるのはなぜか。作中で舞い散る血しぶきや殺されまくる人についてはどのように消化されているのだろうか。